先月26日に成立した、「再生可能エネルギーの固定買取価格制度」にかかる法案の概要が太陽生活で紹介された。内容を簡単に紹介したい。法案の正式名称は「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(以下「特措法」と表記)。経済産業省が公開した資料によれば、この特措法は2012年7月1日から施行される。
要点として一番わかりやすいのは、PDF資料だろう。法案原文もあるが、こちらは44ページもあるし読んでもわかりにくい。
気になる住宅用は、現行と同じで余剰買取の制度が維持された。これについては、私自身としては賛成だ。理由はいくつかあるが、下記に紹介する。詳しくは、PV-NETの都筑事務局長がまとめた「余剰電力買取義務制度と全量電力買取義務制度についての考察」を見て欲しい。
(1)全量買取制にすると、節電しようがしまいが、発電した電気がそのまま買いとられることになる。そのため、節電意識が働きにくくなる。余剰だと、余った電気を買いとってもらうことになるため、節電するようになり、それが省エネとなりCO2削減に貢献することになる。
(2)全量買取だと、地産地消が出来なくなってしまう。自宅で発電した電気を使うことによって、自分はCO2を発生しないクリーンな電力を使っているんだという満足感が得られる。ところが、全量買取になると、自家発電した電気はすべて買いとられ、火力や原発などで発電されたグレーな電力を否応なしに使わされることになる。
(3)現状のグリーン電力買取制度が存続できなくなってしまう。現在は太陽光発電で作られた電気のうち使用した電気量については、グリーン電力と言うことで買いとられる制度がある。ところが、全量買取になると、グリーン電力そのものが無くなってしまう。
(4)全量買取になると、総発電電力計を設置しなければならず、配線も変更しなければならない。その費用を誰が負担するのか。こういう問題を解決しなければならなかった。
(5)買取費用は「太陽光促進付加金」として電気料金に加算され、すべて国民負担となる。その合意が得られるか。
これらの問題点があった。結果的には住宅用は現行通り余剰買取になった。
また、太陽光促進付加金=太陽光サーチャージについては、全国一律となった。これは納得できる。特措法が施行されると、地域によって再生可能エネルギーの導入量や電力需要の規模などが異なることから、地域で負担のばらつきが大きくなる可能性が高い。現行の太陽光発電促進付加金のように電力会社ごとに付加金を決定する仕組みを導入すると、再生可能エネルギーの活用が進んだ地域ほど負担が増えることになり、不公平感が広がることになる。そこで特措法においては、費用負担調整機関を設置し、負担のばらつきを調整することにしている。つまりサーチャージの単価は、全国一律となった。
そのほか詳細は、太陽生活が良くまとまっているので、そこを見て欲しい。
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