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著者がこの本を書ききっかけとなったのは、埼玉に住むあるおばあさんとの出会い。太陽光発電システムの不具合に気づき、太陽電池メーカーや施工業者、電力会社に幾度も相談したが、何の具体的な解決策も示してもらえず、途方に暮れていた。一度も点検にこない施工業者からFaxでパワーコンディショナーの取り替え費用の見積書(36万円)が送られてきて、それで解決するのか明確な回答がなかったそうだ。そのおばあさんから頼まれて、何の器具もなかったが屋根に登って数時間の作業でわかったことは、パワーコンディショナーの不具合でなく、単に太陽電池モジュール同士のケーブル接続が外れていただけのことだった。このような簡単な不具合なのに業者などが即座に発見することも出来なかった現実を目の当たりにして「太陽光発電はメンテナンス・フリー」といううたい文句に大きな疑問を持った。このおばあさんみたいに困った人がたくさん居るのではないかと思いPVRessQという活動を始め、その現地調査事例集みたいなものを広めようと筆を執ったそうだ。


著者は工学博士で独立行政法人産業技術総合研究所太陽光発電研究センター主任研究員。「保守点検や不具合検査を実施するため、あるいは本書の不具合調査事例の内容をある程度理解するために最低限必要と思われる太陽光発電システムの知識を、住宅用太陽光発電システムを中心に解説します。説明は技術的なナック内差を避けるためあえて誤解を恐れずに概念的・模式的な表現を多用しています」と書いてあるが、それでも私には難しくさっぱりわからなかった。しかし、不具合の点検方法や改善方法など豊富な事例が載っている。業者、とりわけ電気関係の技術者は必読の本である。
一般のユーザーがどうしたら不具合を発見する方法として、年乖離度という概念が紹介されている。
ある月の年乖離度(%)
=[(過去12ヶ月の発電実績)ー(過去12ヶ月の期待発電量)]/(過去12ヶ月の期待発電量)
この値がおおむねー10%で以上であればその発電システムはほぼ期待通りの性能を発揮していると判断できるそうだ。もちろん例外もある。期待発電量に関しては、産総研のホームページでシミュレーションソフトを公開している(http://www.pvsystem.net)。
一般のユーザーの防衛策としては、たえず記録を取り、少しでも疑問に感じたら、業者にこの本を見せながら点検を頼むと良いのでは。また、この本の内容がさっぱりわからない技術者しか居ないところには、頼まない方がよいと思う。

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