最近読んだ図解クラウドから内容を一部紹介する。以下本の引用。クラウド社会の到来を考えると、これから数年間で普及すると言われている電気自動車EVの存在を無視するわけにはいかない。というのも、今度はクラウドデータセンターとEV充電インフラとの間で、電力の取りあいが想定されるから。クラウドと電気自動車、さらには家庭と工場、この4つのセクターでいかに電力を確保していくのかがこれからの産業にとって大きな問題である。
クラウドに関して言えば、グーグルが取り組み始めたように、データセンターの操業を夜間に限定することで、サーバーからの発熱を抑え、空調用の電力消費を抑えるといった工夫が必要となるだろう。しかし、一方で今後EVが普及すると充電は夜間に行われるため、一般家庭の夜間電気使用量は飛躍的に増加すると言われている。また、工場などでも夜間の安価な電力を利用した操業が行われている。夜間電気使用量が全体として増加すれば、夜間電力の価格が割り引かれなくなる可能性も高まっており、データセンターがいかに電力を確保し、かつ省電力で稼働するかと言うことは、クラウドの実現において大きな鍵を握っている。
そこで注目を浴びているのがスマートグリッド。
データセンター運営上、電力の確保に頭を悩ませてきたグーグルも、実は電力事業に積極的に参加している。グーグルが提供する新アプリケーション、グーグルパワーマスターでは、無線通信機能を持つ新型の電力計スマートメーターを使ってインターネット経由で自宅の電力量をモニタリングすることができる。このように電力量を単純に可視化するだけでも、自宅の消費電力量を15%程度削減することが可能だと言われている。
極端な見方をすれば、最終的にはクラウドデータセンターと電力会社とを統合したようなビジネスモデルも、今後の未来像として考えられるかも知れない。
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